「何物にも代えがたいんだ、何物にも譲れないんだ。
その為なら、この魂が燃え尽きたってかまわない。」
某国の片田舎の孤児院で、妹や子供たちと穏やかに暮らしていた青年、アルフィー。
彼はささやかな幸せに満足していたが、突如現れた謎の怪物「ファントム」によって、妹は「非生の呪い」に侵され、アルフィー自身も右目に化け物の目玉を移植されてしまう。
また、平穏な日々を取り戻すため、そして妹を苦痛から解放するために、アルフィーは有象無象の海上都市「イーストアトラ」に足を踏み入れる。
そこで彼を待ち受けていたのは、世界の表裏で暗躍する秘密結社「カンパネルラ」の人々だった。
2440年、人類は再び繁栄を謳歌しようとしていた。
約400年前、突如現れた「ネメシス」と呼ばれる生きた絶望と彼女が生み出したミュータント「ファントム」によって人類は滅亡の危機に瀕した。新しく生み出した新技術「幻術」を用いて対抗し、種の存続を懸けた「幻影大戦」が勃発する。大戦は約200年続き、多大な犠牲と引き換えにネメシスを倒し、人類は種の生存を勝ち取った。
そして、終戦からおよそ140年の時が流れ…2436年「リビルディング事件」によって、物語の舞台となる海上都市「イーストアトラ（EA）」が現れる。
都市の中央に空く、森羅万象を司る異世界「幻界」とつながる大穴「虚」は、生き物や事象に様々な変化をもたらし、街は混沌と創造で溢れている。そして、この街にはあらゆる脅威から世界の秩序を守る為、暗躍する組織があった…。
これは、世界の表裏の狭間で戦うものたちの、日常と魂の物語。